サービス指向アーキテクチャ(SOA)への取り組みを開始するにあたり、その取り組みがオープン・インターネット技術を土台とした環境の再構築であると同時に、企業文化の変革の取り組みでもある事を認識することが、多くの場合に重要になっています。
総合エンタープライズ・アーキテクチャ(EA)の定義が、多くの場合SOA移行への出発点です。EAは、ビジネス近代化のツールとして、しばしば採用されます。そのEA取り組みにおける最初のステップは、アセスメントによる現状の評価です。この評価で、ビジネスプロセスとシステムにおける冗長性が浮かび上がります。これらの冗長性を示す部署・環境が、SOA導入の良いスターティング・ポイントになります。
SOAベースのシステムを構築することは、大規模な中央集中型ITシステムから、小規模モジュールの開発コラボレーションへのシフトを意味します。また、業務プロセスに関与する全ての関係者間の共通理解を必要とします。
ビジネスとITの相互の役割の把握、そして市場におけるパートナーや顧客との関係の把握などの考え方に、変化が出て来ています。このような文化的変化は組織上の重要なジレンマとなっています。
SOAがもたらす企業文化への影響は直観的にわかる一方で、アプリケーションライフサイクル管理(ALM)へのな影響は明確になっていません。ソフトウェア開発プロセスと既存ツールが、SOAへの移行をサポートするには、準備が足りない場合が多くあります。複数にサイロ化されたLAN開発環境から、オープンなWAN開発環境への移行が必要となります。
SOAへの移行取り組みにおいて、考慮すべきいくつかの機能と推薦事項を挙げています:
| 機能 | 詳細 |
|---|---|
| モジュール化への対応 | 最初にやらなければならないことは、コードのモジュール化かもしれません。ひとつのアプローチは、webサービスを反映するAPIを利用することです。これによりユーザ・コミュニティは、管理とパフォーマンスのバランス感覚をベースにした正しい導入アプローチを決めることができます。 |
| コラボレーションの促進 | コラボレーションは、SOAを支える重要なスキルです。「優良の企業は、優良なコラボレーション・スキルを有します。フラット化された世界においてビジネスはますます企業内、企業間のコラボレーションが重要になっていきます。」 トーマス フリードマン (Thomas Friedman)は「フラット化する世界(The World is Flat)」の中で、企業がいかに新しいフラットな視野をもつべきかを期待を込めて書いています。コラボレーションは、IT とビジネス両方に関連する重要な要素です。 |
| コミュニティ・ソース・プロセスの利用 | SOA取り組みの成功要因の一つに、ソースコードへのアクセスがあります。オープンソース、パートナー間で共有できるソース、又は単にAPI を通してアクセスできるソースであれ、これらに関係なくソースコード・レベルでの参画ができるのであれば、ユーザはSOA Webサービスの長期的なユーザ兼取り組み自体への重要な貢献者になるかもしれません。 |
| アプリケーションライフサイクル管理の採用 | 定義、設計、 コード&ビルド、テスト、デプロイメンに渡って、共通のライフサイクル工程導入は、大規模なSOA実現にとって重要です。これによって、プロジェクト管理、エンタープライズ・アーキテクチャ、エンジニアリング、品質保証、運用管理、エンドユーザーなど全関係者への一貫したコミュニケーションと可視化の実現が可能となります。また、ALMは SOX や他のコンプライアンス・プログラムに対応できる環境を提供します。 |
| ネットワーク指向型ツールの活用 | 今日の開発チームは、地理的に分された環境におかれている場合が多くなっています。海外拠点リソースに柔軟に対応するパートナー企業が多く存在します。また、ツールは、セキュリティを確保しながら、インターネット上での効果的に活用が理想となります。例えば、WAN指向のオープンソース・ツールを用いればコスト削減につながり、コラボレーションの促進にも繋がります。 |
| コミュニティ・オブ・インタレスト(COI)の支援 | 成功したWebサービスはCOIに関心をもたせると共にCOIの構築を促進します。これらのコミュニティを支援する能力は、コミュニケーション・サービスやコラボラティブSW開発サービスなどのサービス指向インフラストラクチャ(SOI)を支援するのに必要な能力なのです。SOA取り組みにおいて、率先的なコミュニティの構築と運営を考慮しなければなりません。 |
